「のどが渇いたら飲む」では、実は遅い。
先日、仲間11人と琵琶湖畔を18.8km・7時間かけて歩きました。その道中、改めて実感したことがありました。
それは、「脱水対策は、歩く前から始まっている」ということです。
のどの渇きを感じる頃には、すでに体の水分が不足し始めています。特にウォーキングや屋外での活動中は、気づかないうちに汗をかいて水分が失われています。
- 水分補給の正しいタイミングと量
- 状況に合わせた飲み物の選び方
- 脱水のサインの見分け方
- 高齢者と一緒に歩くときの注意点
看護師として高齢者と関わる中で、「水分を摂っていない」「あえて水分を取らない」という方を多く見てきました。
理由の大半は「飲むのが面倒」「のどが渇いていない」「トイレが近くなるから嫌だ」。特にトイレの問題が切実で、脱水を誘引するケースがほとんどです。
脱水は、防げるトラブルです。 一緒に確認していきましょう。
なぜ歩くと脱水になりやすいの?

まず確認しておくことがあります。
あなたは、身体の中でたくさんの水分が出入りしていることをご存知ですか?
成人の1日の水分バランスを知ろう
1日の水分バランス(成人の場合)を以下の表にまとめました。
| 身体に入る水分 | 身体から出る水分 | ||
|---|---|---|---|
| 食事から | 1.0L | 尿・便 | 1.6L |
| 体内で作られる | 0.3L | 不感蒸泄※ | 0.9L |
| 飲水 | 1.2L | ||
| 合計 | 2.5L | 合計 | 2.5L |
※不感蒸泄とは、呼吸や皮膚から気づかないうちに失われる水分のこと
出典:厚生労働省「健康のため水分を飲もう講座」
つまり、何もしていなくても毎日2.5Lの水分が身体から出ていきます。
これに運動が加わるとどうなるか?
歩行中は、気温が低くても汗をかいています。風があると汗が発しやすく、「汗をかいていない」と錯覚しがちです。
人の身体は、汗をかくことで体温を調節しています。
汗の量が増えるほど体内の水分が不足しやすくなります。そして、汗とともに塩分も失われるのです。
出典:環境省「熱中症環境保健マニュアル〜総論〜2025年7月版」
さらに厄介なのが、「のどの渇きは脱水のサイン」であること。
渇きを感じた時点ですでに、水分が不足し始めています。会話や景色に夢中になっていると、水分補給のサインすら逃しがちです。
だから、意識してこまめに飲むことが大切なのです。
体温調節の仕組みについては、こちらの動画もわかりやすいです。
水分補給のタイミング

今回の18.8kmのウォーキングでは、白湯・水・ビタミン炭酸水を500ml✕3本持参しました。
トイレポイントが少ないと聞いて正直飲むのをためらいましたが、スタート前からこまめに飲み続けることを意識しました。
- 歩き始める前にコップ1杯(200ml)飲む
- 20〜30分ごとに少量ずつ補給する
- 休憩のたびに飲む習慣をつける
- 終わったあとも補給を忘れずに
「まとめて一気飲み」より「こまめに少量ずつ」が基本です。
何を飲む?
| 状況 | おすすめ |
|---|---|
| 普段のウォーキング | 水・麦茶 |
| 長時間・汗をかく | スポーツドリンク(薄めてもOK) |
| 脱水気味・体調不良時(発熱・下痢時など) | 経口補水液 |
今回はスポーツドリンクや経口補水液ではなく、白湯・水・ビタミン炭酸水を500ml✕3本を持参。塩分補給として塩タブレット、梅干し✕塩昆布の海苔巻おにぎりを活用しました。水分と塩分をセットで補給するのがポイントです。
経口補水液は「飲む点滴」とも呼ばれる水分補給の強い味方です。
ただし、塩分・糖分が含まれるため、日常的な水分補給には向きません。いざというときのために1本持っておくと安心です。
脱水のサインを知っておこう
こんな症状が出たら、すぐに日陰で休んで水分補給をしてください。
- 口の中がねばつく
- 頭がぼーっとする
- 尿の色が濃い黄色になる
- 体がだるい・疲れやすい
今回のウォーキングで、ふと思いました。
「もしこの中に高齢の方がいたら、どうなるだろう?」
「私が高齢者だったら、どうなるだろう?」
トイレを気にして水分を控えてしまう、のどの渇きに気づきにくい…
看護師として日々感じていることが、歩きながら頭をよぎりました。
高齢の方と一緒に歩くときは特に注意

高齢者は体内の水分量が少なく、のどの渇きを感じにくいという特徴があります。
「飲んだ」と言っていても、実際には少量しか飲んでいなくて水筒が半分以上残っているケースも。
一緒に歩く場合は、声かけしながらこまめに補給を促すことが大切です。
まとめ
- のどが渇く前に飲む
- 20〜30分ごとにこまめに補給
- 状況に合わせて飲み物を選ぶ
- 脱水のサインを知っておく
はじめて3万歩を歩いた時も、水分補給に努めました。
18.8kmを歩き切れたのは、仲間の存在と琵琶湖の雄大な景色、そして水分補給をサボらなかったおかげだと思っています。
楽しいウォーキングを、しっかりした水分補給で安全に。あなたの身体を守るのは、毎日のちょっとした習慣です。

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