夕方になると足がパンパンにむくんで靴がきつくなる。こんな悩み、ありませんか?
特に高齢になると、足のむくみは日常生活に影響を与えることがあります。「年齢のせいだから仕方ない」と放置すると、転倒や生活の質の低下につながることもあります。
この記事では、家庭でできる簡単なケア方法と、注意したい症状をまとめました。今日から実践できるポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
足のむくみとは?
むくみとは、血液やリンパ液の循環が滞り、水分が足の組織に溜まった状態を指します。
高齢者は運動量が減るため、下半身の筋肉が「ポンプ」として働きにくくなり、むくみやすくなります。
また、心臓・腎臓の機能低下や、利尿作用のある薬、血圧の薬などもむくみを引き起こす原因になります。
一般的に、足全体が腫れぼったくなる、靴下の跡がつく、夕方になると靴がきつく感じる、などの症状が見られます。ただし、片足だけむくむ場合や急にむくみが強くなる場合は、病気の可能性もあるため注意が必要です。

家庭でできる予防・改善方法
日常生活の中で取り入れやすい方法を紹介します。1日5〜10分でできる簡単ケアです。
足首・ふくらはぎのストレッチ
- 椅子に座ったまま、足首をゆっくり回す
- かかとを上げ下げしてふくらはぎを動かす
- 休憩や就寝時に、かかとをバスタオルやクッションなどで床から5〜10cm(高すぎると心臓への負担が大きい)高くして休む
ストレッチは、就寝前やリラックスタイムに行なうと血流改善に効果的です。椅子に座る、テーブルや手すりなどで支えるなど、安定した姿勢で行いましょう。
ゆっくり呼吸をしながら、はじめは3〜5回程度で。息切れするまで行なうのは厳禁です。
足湯(足浴)・マッサージ
- ぬるめのお湯(38〜40度)で足を5〜10分ほど温める
- ふくらはぎを下から上に向かって優しくさする
- 強く押しすぎず、痛みがない範囲で行なうことが大切
足浴に関する詳しいケアについては、こちらの記事を参考にしてください。

水分と塩分の管理
- 水分は1日かけて1.5〜2リットルを目標にこまめに摂取(飲み過ぎは注意)
- 塩分は取りすぎないように意識
- 水分不足もむくみを悪化させることがあります
靴・靴下選び
- 締め付けの強い靴下や靴は避ける
- 足首までしっかりサポートする靴で歩行をサポート
- 朝夕で足のサイズが変わることもあるので、購入時間を午後にする、紐やベルト、中敷きなどで調整可能な靴を選ぶなどの工夫を
靴に足を合わすのではなく、足にあった靴を選びましょう。最近は軽量化、4E・5Eなど幅広の履きやすさ、歩きやすさを追求したおしゃれな市販の靴も増えています。福祉用具に頼るのもひとつです。
注意したい症状
むくみがいつもと違う場合、早めに医療機関へ相談してください。
- 片足だけむくむ場合
- 急にむくみが強くなる場合
- 息切れ、胸の痛み、発熱を伴う場合
これらは心臓や腎臓の病気など、健康上の問題が隠れている可能性があります。かかりつけ医や訪問看護とのつながりがあれば、迷わず早急に相談しましょう。
受診する際は、以下の6項目をメモして持参しましょう。
- 私の(介護している親の):「母親の」
- 体のどこが:「両足の膝から下が」
- いつから:「数日前から」
- どのような症状が:「パンパンにむくんでいる」
- どの様に:「いつも履いている靴が急に履けなくなった」「足の裏が丸くて歩きにくそう」「少し歩くだけで息切れをしている」
- 自分なりの原因:「数ヶ月前から夜間眠れていなかったようだ」
これらの情報は、医師の判断に役立ちます。

まとめ
足のむくみは、毎日のちょっとした習慣で予防・改善が可能です。
- 足首・ふくらはぎの簡単ストレッチ
- 足湯や軽いマッサージ
- 水分・塩分の調整
- 締め付けない靴・靴下の選び方
今日から5分間だけでも、足のケアを取り入れてみましょう。
また、あわせて「高齢者の爪ケア」や「足全体の健康習慣」の記事も参考にすると、より安心です。
次回は「転倒予防」について解説します。
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