“運動=苦手”、そんなあなたへ
「運動しなきゃ」と思ってはいても、忙しかったり面倒に感じたりして、つい後回しになっていませんか?私もそんな一人です。
でも実は、筋力の維持に大切なのは「長時間の運動」よりも「毎日ちょっとずつ体を動かすこと」。
しかも、日常生活の中で“ついでにできる”「ながら運動」でも、しっかり効果があると厚生労働省が明示しています(「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」より)。
フレイル(加齢による心身の衰え)を防ぐためには、「栄養・運動・社会参加」の3つが柱です。
前回は「栄養」についてお話ししましたが、今回はその2本目の柱「運動」を、飽き性の私でも続けられる方法にしぼって紹介します。
フレイル予防に「筋肉」が欠かせない理由
年齢を重ねると、身体の筋肉量は少しずつ減っていきます。
20代をピークに減少しはじめ、60歳で20代の約6割程度まで落ちると言われています。
特に、下半身の中でも最も大きな筋肉である「大腿四頭筋(前太もも)」は減少が早く、50代から減少のペースが加速すると言われています。「立ち上がりがつらい」「つまづきやすくなった」といった変化につながります。
身体中に張り巡らされた筋肉は600以上。そのうち、下半身には約6〜7割が存在。
これらの筋肉は”第二の心臓”とも呼ばれ、血流を助け、代謝を保つ重要な働きをしています。

つまり、筋肉を保つ=健康を守るということ。
下半身にたくさん存在する筋肉をしっかり維持することは、全身の健康につながります。
昔から「足腰を鍛えよ」と言われるのは理にかなっているんですね。
しかも、何歳からでも筋肉は鍛え直せるのです。
時間がなくてもOK!「ながら運動」のススメ
「忙しい」を理由に、つい運動を後回しにしてしまうプレ高齢者の私。
「筋肉を鍛えると健康に良い」と頭でわかっていても、行動につながらないなら意味がありません。
では、忙しくても続けられる秘訣は何でしょうか?それは、自動的に行える仕組みを作ることです。
それは、”生活の動きに運動をくっつける”こと。
週に1度まとめて30分歩くよりも、毎日5分✕2〜3回のほうがむしろ習慣になりやすいという研究もあります。
✅️ながら運動の具体例:
- 歯みがき中に「かかと上げ」→ふくらはぎの筋肉が鍛えられ、血流アップ。
- テレビを見ながら「もも上げ」→大腿四頭筋と股関節の動きが良くなり、つまづき防止に。
- 料理中や洗い物中に「片足立ち」→バランス感覚が鍛えられ、転倒防止に。
どれも1〜2分でOK。
大事なのは、「動かすことを生活行動とセットにして、無理なく続ける仕組みを作ること」です。
仕事先の高齢者の方を見ていても、「毎日少しずつ動いている人」は、姿勢や表情に元気さが感じられます。
身体を動かすことは、筋肉だけでなく気持ちの張りにもつながると実感しています。

飽き性でも続く!“遊び感覚”の運動記録アプリ
それでも「三日坊主で終わる…」という方におすすめなのが、運動記録アプリ。
iPhoneユーザーの私は日常「ヘルスケア」アプリを活用していますが、
最近は無料で簡単に使えるアプリが増えていて驚きました。
歩数や運動時間だけでなく食事管理やゲーム機能などユーザーフレンドリーで飽きさせないものもあるんですね。Androidユーザーと共有できるアプリも多く、ますます便利に。
✅️例えば、次のような無料アプリがあります。
- トリマ:可愛いペンギンのアイコン。歩くだけでマイルがたまるアプリ。
- FiNC(フィンク):白地に笑顔のアイコン。食事・体重・歩数・睡眠・生理などの健康データをまとめて管理。
- あすけん:緑のりんごのアイコン。食事・体重・運動をまとめて記録。
ポイントは、「完璧にやろうとしない」こと。
週2〜3回でも、スマホに“今日も動いた”と記録が残ると、自然とモチベーションが上がります。
続けるコツは「ハードルを下げる」こと
「できなかった日がある」と落ち込むより、
「昨日より5分多く動けた」と小さな達成感を積み重ねましょう。
✅️私も実践しているおすすめの続け方
- カレンダーに「動いた日」は印をつける
- スマホアプリで歩数を確認して“見える化”する
- 飽きたら別の動作に変える(ルールはゆるく!)
「完璧にやらなきゃ」ではなく、
“動くことを諦めない”ことが何よりのフレイル予防です。

終わりに:動けるうちは動く!
フレイル予防の「運動」は、年齢を問わずはじめられます。
1日10分でも、筋肉はきちんと応えてくれます。
「試しにやってみよう」と思ったその日が、はじめどき。
あなたの毎日の動きが、将来の自分を守ります。
🍀次回予告:「知らなかった!iPhoneヘルスケアアプリで健康を“見える化”」
プレ高齢者の私が、いまいち使いこなせてない機能を実際に試して紹介します。
🍀関連記事:フレイル予防の第一歩「食べる力」を見直そう(栄養編)
運動の効果を高めるためには、栄養とのバランスも大切です。詳しくは前回の記事へどうぞ。
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